私は、GFSIカンファレンスの開催を心から待ち望んでいたと言っても過言ではありません。それは、新たな人々と出会い、新たなつながりを築き、そして何よりも新たなアイデアを探求する機会です。
2022年3月はGFSIカンファレンスがバルセロナに戻ってきますが、多くの方が関心を寄せているトピックがあります。それは、サプライチェーンの把握や食品セクターのリスク管理の方法に、テクノロジーがどのように影響を与えているか、ということです。
新型コロナウイルスのパンデミックはデジタル技術の原動力となり、世界が最も堅牢なフードシステムを求めていたまさにその時に、継続性と機敏性の向上を実現しました。しかし、組織が適応して「平常時」に戻るにつれて、ここからどこへ向かうのかが次の問題になります。以前の状況に後戻りすることは生じないと思っております。食品安全を支援するためにテクノロジーを利用しようとする場合、その方法は現状から前進するしかありません。
リモート・テクノロジーは出発点となるものだと思っています。 リモート・アプローチが提供する柔軟性と機能は、審査方法に大きな付加価値をもたらします。 リモートを通じて、適切なスキルと専門知識が現地ですぐに利用できることは大きな意味があります。今では、世界中の現場を数日以内で審査できるようになっています。それは顧客にとっても、従業員にとっても、環境にとっても良いことです。
テクノロジーが台頭するにつれて、私たちが自由に使えるデータの量も増加します。 LRQAでは、リスクを特定・予測するためのデータと分析ツールの使用について、クライアントの関心が高まっていると見ています。これらのツールは、モデルやデータセットが改善されればされるほど、より強力になりますが、私たちは走る前に歩き方を学ばなければなりません。最大の課題は、社内外のデータソースを1つのプラットフォーム上で統合する能力という、基本的なものであることが多いのです。AIは、特にリスクの分類が明確な場合には役に立ちます。しかし、リスクマネジメントを支えるデータサイエンスは、インサイトやマーケティング機能におけるデータの利用など、高度な応用に耐えられるようになるにはまだ長い道のりがあります。
しかし、最もエキサイティングなのは、新たな技術はサプライチェーンの可視性を変革し、それによって食品会社の管理方法を変革する可能性があることです。たとえば英国では、LRQAがコンソーシアムであるSecQuAL(デジタル食品エコシステムのための安全な品質保証ロジスティクス)を主導し、スマートラベルとブロックチェーンがどのように画期的なレベルの透明性を実現し、食品廃棄物を削減し、消費者の信頼を高めることができるかを追求しています。これらのユニークなデジタルIDは、リアルタイムで追跡、監視することができ、食品の出所、コールドチェーンの状態、予測される保存可能期間などに関するデータを提供します。
審査方法、活動から生成できるデータ、学習、改良、改善のためのデータの利用方法など、どれをとっても、1つだけ明らかなことがあります。食品衛生の専門家にとって、テクノロジーは大きな新しい話題です。そして、その話題は今回のGFSIカンファレンスほどふさわしい場所はないと思っています。バルセロナでお会いできることを楽しみにしています。