水産養殖管理協議会(ASC)は、新しい農場基準を正式に発表し、水産養殖認証の進化における重要な一歩を踏み出しました。
2025年5月7日にバルセロナで開催されたSeafood Expo Globalで発表されたこの新しい基準は、各種の要件を1つの統一された枠組みに統合し、認証の簡素化と水産物業界全体のサステナビリティ実践の強化を目的としています。
認証への統一的なアプローチ
ASCの農場基準は、複数の既存基準を単一の統合システムに置き換え、養殖種全体に適用されます。この統合は、生産者の効率向上、監査の一貫性強化、特に多品種を飼育する農場における認証のアクセス向上を目的としています。また、環境保護、魚の福祉、社会的責任を含む主要なサステナビリティ原則を強化します。
ASCによると、新しい基準は継続的な改善、成果に基づく要件、データに基づくパフォーマンスに重点を置き、認証を受けた農場がサステナビリティの信頼性を証明し、向上させることを支援します。
移行スケジュールと生産者への支援
移行を支援するため、ASCは2年間の移行期間を設定し、農場が新しい基準を段階的に導入できるようになりました。この期間中、生産者は以前の種別別基準に基づく認証を継続しながら、統合版基準の要件を満たすための準備を進めることができます。
移行には、ASC飼料基準の遵守期限が2025年10月に延長される措置が含まれます。これにより、農場はASC準拠の飼料を認証を受けた製粉工場から調達するための猶予期間が与えられます。ASCは、農場と認証機関が変更を効果的に対応できるよう、詳細なガイドライン、トレーニング資料、実施ツールを提供しています。
認証取得組織にとっての意味
認証を取得済みの農場および認証取得を目指す農場にとって、新しいASC農場基準は機会と責任の両方を提供します。この基準は、認証取得へのより明確で一貫性のあるプロセスを提供するとともに、環境影響のモニタリング、地域社会との連携、動物の健康など、重要な分野における基準を強化しています。組織は、現在利用可能な資源を活用して新しい要件を理解し、準拠計画を立てるため、移行プロセスへの取り組みを今すぐ開始することを推奨されます。
LRQAは、この移行プロセスにおいて水産養殖クライアントを支援する取り組みを継続しています。ASC認定認証機関として、クライアントと緊密に連携し、変更点の解釈、トレーニングの提供、新基準への円滑な移行を支援しています。
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