グローバルなサプライチェーンがますます複雑化し、倫理的な業務遂行の要求が高まる中、SEDEXはSMETA(Sedex Members Ethical Trade Audit)の新しいバージョンを導入しました。
LRQAのスキームテクニカルマネージャーであり、SMETAの専門家であるセフィカ・グルック氏に、今回の更新における重要な変更点と、SMETAの審査に依存している世界中の6万社以上の企業にとってどのような意味を持つのかについて詳しく聞きました。
昨年の調査では、76.6%の企業がサプライチェーンの混乱に直面したという結果が出ており、強固で適応力のある監査フレームワークの重要性は、非常に高いといえます。SMETA 7.0の改訂は、倫理的な取引監査の大きな進化を意味し、企業が透明性、説明責任、サステナビリティに対する高まる要求に応えるための主要な強化策を導入しています。
SMETA 7.0の主な変更点 - 知っておくべきこと
- マネジメントシステム評価(MSA)の導入: SMETA 7.0には、新しいマネジメントシステム評価が含まれており、サイトのポリシー、手順、慣行を総合的に検証し、SMETAの基準との整合性を確認します。この変更は、特に、企業のマネジメントシステムの成熟度と有効性を評価することで、潜在的なリスクをより効果的に特定し、軽減することを目的としています。MSAは、以前の「観察事項」カテゴリーに代わるもので、サイトのシステムがどの程度コンプライアンス違反を防止できるかを評価する、より体系的なアプローチを提供します。
- 共同での対応が求められるカテゴリー: 監査対象者だけでは解決できない複雑な問題に対処するために、「(Collaborative Action Required:CAR)」という新たなカテゴリーが導入されました。このカテゴリーは、長期にわたる改善努力が必要で、複数の関係者が関わる可能性がある課題に対処するために、バイヤー、サプライヤー、その他の利害関係者間のより緊密な協力を促すものです。従来の不適合とは異なり、CAR指摘には固定の終了期限がなく、これらの問題を解決するには複雑性と持続的な協力が必要であることを反映しています。
- 環境および企業倫理評価の強化: 4ピラー監査は、環境対策と企業倫理に関するより厳格な評価により、さらに強化されました。これらの強化策は、サステナビリティと倫理的な企業行動に対する世界的な関心の高まりに対応するものであり、企業が責任ある調達においてより高い基準を満たすことを保証します。これは、規制の要求や利害関係者の期待に前もって対応しようとする企業にとって極めて重要です。
- リアルタイムレポートのためのデジタル統合: SMETA 7.0は、高度なデジタルツールを活用してデータ収集を合理化し、リアルタイムの報告を可能にします。この統合により、監査プロセスの効率が向上し、コンプライアンス要件の変更に企業が迅速に対応できるようになります。デジタルプラットフォームの使用は、複雑なサプライチェーン全体で継続的な保証を維持するための重要な要素です。
- 包括的な監査員向けトレーニング: SMETA 7.0の効果的な実施を確実にするため、Sedexは監査人向けに、16時間のライブトレーニングとSedex Auditor Academyの最新モジュールを含む広範なトレーニングプログラムを実施しました。このトレーニングは、すべての監査員がSMETA 7.0監査を実施する前に受講することが義務付けられており、すべての評価に一貫性と品質を確保します。
SMETA 7.0の発表は、責任ある調達に取り組む企業にとって重要な瞬間です。マネジメントシステム評価のような新しいツールの導入や、環境および企業倫理に関するより厳格な基準の導入により、LRQAは企業の責任ある調達慣行の向上と、グローバルな期待値の超過を支援します。
信頼のおけるグローバルな保証パートナーとして、LRQAは企業がこれらの変化に対応する上で独自の立場から支援することができます。ESGと責任ある調達に関する専門知識と、データに基づく洞察力を組み合わせることで、お客様が新しいSMETA 7.0を確実に導入し、倫理的なサプライチェーンを維持できることを保証します。
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