空調設備の補機である冷却塔のリーディングカンパニーである株式会社荏原シンワ(現 荏原冷熱システム株式会社)では、すべての部門が一体となって経営目標の達成を目指すため、2008年に全社的な統合マネジメントシステムを構築。その一年後には、約65%ものロスコスト削減を実現した。(取材年月:2010年6月)
荏原グループの方針により、 ISO 9001、ISO 14001の認証を取得
日本初の冷却塔専業メーカーとして、常に冷却塔業界をリードしてきた株式会社荏原シンワ。一般的なビルの冷却塔をはじめ、地域冷暖房設備や空港などに設置する大型の冷却塔まで、国内外で100万台以上の販売実績を誇っている。
そんな同社が最初にISOの認証を取得したのは、荏原グループ全体がISO 9001取得へ動き出した1998年のこと。これに続いて、2002年にはISO 14001の認証を取得した。いずれも藤沢、綾瀬、鈴鹿の3つの製造拠点で取得したという。
ISO 9001では品質管理システムの強化、ISO 14001では環境負荷低減に、確実な効果が出ていたそうだ。しかし、それぞれ年2回の定期審査に加えて荏原グループ独自の環境監査も含め、計5回の審査は大きな負担になっていたという。
本社、営業拠点を含めた 全社的な統合マネジメントシステムを 構築
さらに、ISO 9001が2000年版で改訂され、経営管理システムとして活用できるようになり、同社 ISO担当者 小宮氏は経営陣とともに次のように考え始めた。
「冷却塔の販売には、営業、設計、調達、製造などのあらゆる部門の業務が連携しています。しかし、製造部門だけで品質・環境マネジメントシステムを運用していては、製造部門に限定した効果しか生み出せず、利益にも結び付きづらかったと思います。全部門が一体となり、さらに経営と品質・環境マネジメントシステムを一本化して運用してこそ、経営力、すなわち利益力向上に結び付くのではないかと考えていました。」
そこで、同社では、全部門の業務をすべて同じ経営管理システムで管理していくために、全社的な統合マネジメントシステムの構築へ向けて動き出すこととなった。まず、2006年に藤沢、綾瀬、鈴鹿の3つの製造拠点で、ISO 9001とISO 14001を統合。さらに、2008年9月には、本社と全国の営業拠点も含めて全社的に統合マネジメントシステムの認証を取得した。これは、荏原グループの中でも、初めての試みだったそうだ。
『株式会社荏原シンワ(現 荏原冷熱システム株式会社)様 事例紹介』
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