企業が複雑化し競争の激しいグローバル環境を乗り切るために、現代の品質管理の焦点は、コンプライアンスを超えて、パフォーマンスと戦略的成功の推進力へと進化してきました。
2024年のWorld Quality Weekのテーマ「コンプライアンスからパフォーマンスへ」に沿って、この記事では、ISO 9001などの品質マネジメントシステム規格が、単に規制要件を満たすだけでなく、長期的な事業成功を達成する組織へと変革する上で重要な役割を果たしていることを探ります。
ここでは、労働安全衛生に関するISO技術委員会の議長であり、LRQAの元品質ディレクターであるマーティン・コッタム氏、LRQAの品質およびガバナンス部門のグローバル責任者であるカール・ロジャース、そして、DXCテクノロジーのオペレーショナルエクセレンス部門のグローバル責任者であるアンシュマン・ティワリが、この変化において品質保証がなぜ重要であるかについて、それぞれの見解を述べています。
認証:コンプライアンスまたはパフォーマンス?
ISO認証の否定派は、認証取得は組織にコンプライアンスの考え方を植え付け、真の取り組みを促すのではなく、チェックリスト方式のアプローチを助長するだけだと主張するかもしれません。しかし、ISOの労働安全衛生技術委員会の議長であり、LRQAの元品質担当ディレクターであるマーティン・コッタム氏は次のように説明しています。
「規格をよく読んでみると、規格は単なるコンプライアンスを目的としているのではなく、パフォーマンスにしっかりと焦点を当てており、組織がプロセスが効果的であることを確実にすることという明確な要求事項が含まれています。認証は、効果的に実施された場合、組織に"そのプロセスが意図した成果をもたらしていることを実証する"よう求めることで、この要求事項に適合します。これにより、組織はコンプライアンスの域を超えて、パフォーマンス改善を実現できるようになります。」
マーティン・コッタム氏は、目標は最低限の要求事項を満たすことだけではなく、組織のパフォーマンス目標に沿ってプロセスを継続的に改善することであると強調しています。
さらに、コッタム氏は、組織にとっての主要な課題は「常に変化する世界で意図した成果を達成すること」であると指摘しています。この課題は、進化するリスクや機会(グローバルなサプライチェーンに対する地政学的な影響、気候変動の影響、AIや新技術の台頭、労働人口の変化など)をモニタリングし、それに対応するマネジメントシステム・フレームワークを通じて組織のプロセスを結びつけることで直接的に解決されます。彼は、外部環境や期待が変化するにつれ、組織はパフォーマンス目標を調整し、ダイナミックな環境において競争力と関連性を維持しなければならないと強調しています。
卓越したビジネスの基盤
LRQAでは、品質への注力はコンプライアンスにとどまらず、堅牢な品質マネジメントシステム(QMS)を通じて、お客様が成長のための強固な基盤を確立できるよう、お客様と緊密に連携しています。最近のポッドキャストでは、LRQAの長年の信頼あるお客様であるDXCテクノロジーのオペレーショナルエクセレンス部門グローバルヘッドであるアンシュマン・ティワリ氏と、この点について議論しました。ティワリ氏は、効果的なマネジメントシステムがどのようにして業績を向上させることができるかについて、自身の考えを述べました。
ティワリ氏によると、卓越したビジネスへの歩みは、まず「何事も改善の余地がある」という考え方から始まります。この信念は、本質的に継続的な改善を目的とする品質管理の分野の中心となるものです。同氏は、ISO 9001のようなマネジメントシステム規格は、組織がプロセスを文書化し、測定し、改善するための枠組みを提供するため、この取り組みにおいて極めて重要であると説明しました。「文書化されたことを実行し、実行したことを文書化する」という原則は、ISO 9001の中心であり、一貫性と説明責任を確保するだけでなく、長期的な事業成功に必要な継続的な改善も保証します。
コンプライアンスからパフォーマンスへ
LRQAの品質・ガバナンス部門のグローバル責任者であるカール・ロジャースは、次のように述べています。
「規格への適合は必要ですが、品質マネジメントシステムは単にチェックボックスを埋めるだけのものではありません。品質は将来の事業成長と成功の基盤です。コンプライアンスは、到達点ではなく出発点と捉えるべきです。 マネジメントシステムの真価は、コンプライアンスを超えて、組織全体のパフォーマンス改善を推進する能力にあります。」
組織は、業務の基盤に品質を組み込むことで、規制要件を満たすだけでなく、パフォーマンスを向上させる継続的な改善文化を構築することができます。
将来を見据えて
技術の進歩、環境問題、競争の激化など、変化する世界情勢に適応する能力は不可欠です。 マネジメントシステムは、複雑化するリスクが伴う環境下で、組織が成長に焦点を当てることができる枠組みを提供します。
品質を戦略上の優先事項とすることで、企業はより高い効率性を実現し、サステナビリティを確保し、最終的には顧客により多くの価値を提供することができます。
LRQAが品質に関する課題の解決を支援できる方法をご確認ください。
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